名古屋大学工学研究科

材料バックキャストテクノロジー研究センター

Research Center for Materials Backcasting Technology



 当センターは、グローバルな環境調和に向けたバックキャスト研究開発理念のもと、ものづくり産業やグリーンビークル社会に貢献する材料テクノロジーの進化と若手人材育成を狙った産学連携の研究教育活動を行うことを目的に、工学研究科付属の研究センターとして2008年10月に発足しました。名古屋大学工学研究科の材料系、化学系、応用物理系の関連7専攻等が協力体制を組み、当センターのメンバーを中心にして72研究室の教員・学生の協力のもと、Nature COE「21世紀COE:自然に学ぶ材料プロセッシングの創成」や第T期知的クラスター創成事業「ナノテクを利用した環境にやさしいものづくり」等の成果を継承し、世界をリードする材料テクノロジーの拠点活動を行っています。

(注釈:「バックキャスト」とは、未来ビジョンから現在技術の方向性を決めること。)



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1.拠点形成活動の概要
当センターは未来の理想「太陽エネルギー社会」の構築を目指します。
センターの目標:
 環境と人類の調和に向けたバックキャスト研究開発理念のもと、産学官一丸となり、材料テクノロジーを進化・発展させ、先導的部材開発を実現する地域密着型の研究開発拠点を形成するとともに、「バックキャスト」理念を備えた若手研究者等の人材育成を行います。

センターの特色:
 日本の一大ものづくり拠点である東海地域等の産業と連携し、名古屋大学で今までに培った材料研究の成果を継承・発展させ、バックキャスト理念に基づく新たな材料テクノロジーの研究と若手人材育成を行う唯一の拠点を目指します。
   環境破壊・温暖化・気候変動・地球崩壊を回避して生命力溢れる地球を取り戻すためには、化石燃料依存型社会から一刻も早く脱皮し、原子力エネルギー依存から大きく方針転換して、無限に存在するクリーンな自然エネルギーを最大限活用する「太陽エネルギー社会」の実現を目指さねばなりません。MBTセンターは、「太陽エネルギー社会」を人類が目指す未来の理想社会と位置づけ、これを構築するために必要な「バックキャスト視点に基づく材料テクノロジー」を開拓します。具体的には、(1)光・熱・力学エネルギー変換・貯蔵・輸送技術に資する高性能材料、(2)低環境負荷型物質・材料製造プロセス、(3)高機能代替材料、等の研究開発を先導します。

当センターは、ものづくり産業との連携、および、工学研究科の研究室の頭脳結集を図っています。
センターの活動:
 当センターは、@産学官連携センターとしての役割を果たし、A工学研究科の人・知の結集により、幅広い技術課題への対応力を向上し、材料テクノロジーのイノベーションを実現します。
組織・運営については、当センターのメンバーを中心に、関連専攻等の教員と大学院学生の協力を得て、研究教育活動を実施しています。企画・推進は、センター長の統括の下で運営委員会、企画委員会等が実行します。
当センターは、5つの基幹部門(物質知略、エネルギー知略、プロセス知略、安全性知略、産学連携)から構成されおり、研究対象は、金属、セラミックス、高分子、生体材料などの材料全般で、従来枠にとらわれることなく、人と環境の調和に向けた知略のもとで最先端の研究開発を進めています。
さらに、産学官連携の研究教育拠点として機能するよう、地域、産業界との相互協力の下に自助努力を進め、センターの自律性を確保します。このような理念のもと、次世代産業技術の基盤となるバックキャスト手法に基づく材料テクノロジー研究の我が国における唯一の研究教育拠点として、最先端の学術研究と若手人材育成、産学連携、地域連携、国際連携の活動を行っています。
研究活動として、材料テクノロジーに関する共同研究等の連携研究の推進、競争的研究資金獲得やプロジェクト研究の提案などを行い、また、知的クラスター創生事業、愛知県知の拠点等を通し、地域の産業振興に貢献しています。
教育活動として、産学連携研究の実施やオープンクラスター活動による学生・若手研究者の人材育成を行い、また、企業と連携した研究者・技術者の教育サポートシステムの構築、先進技術に関する講演・講習会等を行い、ものづくり産業に貢献する若手人材の育成拠点を形成しています。
また、世界をリードする拠点を形成するため、21世紀COEプログラム(Nature COE)において築いてきた国内・海外研究機関との連携研究の強化を図るとともに、バックキャストテクノロジーの国際研究ハブ機関としての運営、国際共同研究や国際シンポジウムの企画・推進、材料サロンや主催共催会議の開催促進、成果発表や成果報告書、センターニュースのメール発信やホームページ等の情報発信を積極的に行っています。


主な活動
1.研究活動
(1) (1)連携研究の推進と拠点づくり
(2) (2)産学連携講座の設置、若手人材育成と重点研究の促進
(3) (3)連携事業の推進と事業化技術の創出
(第U期知的クラスター創成事業の推進、愛知県「知の拠点」との連携等)

2.教育活動
(1)若手研究者・学生等の人材育成、(2)企業研究者・技術者の再教育サポートシステムの構築、(3)大学院学生の育成を狙ったセンター活動の改善・実施、(4)MBT講演・講習会・人材育成講座等の開催

3.拠点形成の促進
(1) センター基盤強化、(2) 連携促進や成果アピールのためのシンポジウム・会議の開催:
 
@ 名古屋大学 材料バックキャストテクノロジーシンポジウム
A バイオミメティック材料プロセシング国際シンポジウム
B 主催共催会議開催促進、  C  MBT材料サロンの開催
(3) 
情報発信:@国内外の学会や国際会議・展示会等での成果発表の促進、AMBTセンターの成果報告書の発刊、BE-mailによるMBTセンターニュースの発信、Cホームページの整備による情報発信
(4) 外部研究機関との連携促進:バックキャスト理念による材料テクノロジー研究の進展と若手人材の育成を目的にして、国内外の主要な研究機関(企業、大学・研究所等)との連携を促進する(海外18機関、国内10機関等)。


2.今後の展開
 本センターでは、材料系、化学系、応用物理系の幅広い材料テクノロジーの人・知を駆使して、材料の基盤からものづくりまでの幅広い技術分野における連携研究を先導します。特に、研究開発の推進には、多様な人・知が集結している本拠点の先端性、および、自動車産業、航空機産業の一大集積拠点である当該地域における産学連携の優位性を十二分に活用するとともに、大学における「知」の擦り合わせのような新たな研究開発の仕組みを確立し、人類と環境の調和に向けて「太陽エネルギー社会」の研究開発に関連する材料テクノロジーの新展開を図ります。さらに、これまでの名古屋大学の研究成果を継承し、新しい「バックキャスト視点」に基づく材料研究開発をグローバル展開するとともに、2050年未来社会に資することのできる人材を育成します。


(お問い合せ先) 材料バックキャストテクノロジー研究センター
住所:〒464-8603名古屋市千種区不老町、名古屋大学大学院工学研究科
電話/Fax:052-789-3589、E-mail:
ホームページ:http://mbt-center.numse.nagoya-u.ac.jp/